英国ETA(Electronic Travel Authorization)とは
英国ETAは、ビザ免除国の渡航者を対象に英国政府が導入した事前入国認証制度です。 渡航前の必須の事前承認として、渡航者の身元をより厳格に確認し、国境管理の強化と入国審査の効率化を図ります。
1. ETAの概要
1.1 英国ETAの定義
ETAは、ビザ免除国の国民が短期滞在(最長6か月)やトランジットのために取得する電子的な渡航認証です。 米国のESTAやカナダのeTAに概念は近いものの、英国独自の審査基準・手続きに基づきます。 到着時に自動付与されるものではありません。事前申請が必須です。
1.2 導入の背景
ETAは単なる手続きではなく、英国の国境安全保障を強化する重要な柱です。 かつては一部のビザ免除国の渡航者は自由に入国できましたが、ETAによりすべての渡航者が事前審査を受け、 不正滞在や未確認入国を防止することで、国家安全保障を高めます。
2. 対象と要件
2.1 申請が必要な人
英国のビザ免除国の国民
最長6か月までの短期訪問者
旅行目的:観光、親族・知人訪問、ビジネス会合、トランジット等
2.2 ETAが不要な人
英国市民および英国の永住者
アイルランド国民
有効な英国ビザを所持している人
3. ETAの申請方法:手順とプロセス
3.1 申請ステップ
英国政府の公式ETAサイトからオンライン申請
オンラインフォーム入力:旅券情報・基本個人情報
渡航目的の選択:観光、訪問、ビジネス、トランジット等
申請手数料の支払い(約 £10)
自動審査+必要に応じ追加審査 (追加書類の提出を求められる場合あり)
承認後、ETAはメールで送付 — 通常3日以内
英国到着時、ETAの有効性確認と入国審査
3.2 必要書類
有効なICパスポート(ePassport)
6か月以内に撮影した顔写真 (求められた場合)
旅程情報:出国便や滞在先住所 (必須)
ETA手数料の支払い用クレジット/デビットカード
4. 有効期間と滞在ルール
ETAの有効期間: 2年
1回の滞在: 最長6か月
数次入国: 有効期間中は複数回入国可能
5. ETAと訪問ビザの違い
ETAは一般に迅速かつ簡便ですが、就労・長期滞在・就学を目的とする場合は、 それぞれに適したビザの申請が必要です。
| 項目 | 英国ETA | 訪問ビザ(Standard Visitor Visa) |
|---|---|---|
| 申請対象 | ビザ免除国の短期訪問者 | ビザが必要な国の国民 |
| 申請方法 | オンライン申請・自動審査 | ビザセンターでの書類提出 |
| 滞在期間 | 1回の訪問で最長6か月 | 最長6か月(目的により延長の可能性) |
| 費用 | 約 £10 | 約 £100〜 |
| 審査期間 | 通常3日以内 | 3〜6週間 |
| 追加審査 | 必要に応じ個別審査 | 面接・追加書類の可能性 |
6. 重要な留意点
- ETAの承認がないと英国に入国できません。
- 出国便(帰りの航空券等)が必要です。
- 入国審査で旅行目的や資金証明の提示を求められる場合があります。
- 入力内容は正確に。誤りがあると再申請が必要になることがあります。
- ETAが不承認の場合、標準訪問ビザの申請が必要です。
7. 就労・ビジネス関連ビザ
7.1 就労ビザ(Work Visa)
英国で合法的に働くにはスポンサー(雇用主)が必要です。
主な種類:
Skilled Worker Visa: 技能労働者向け
Health and Care Worker Visa: 医療・介護分野向け
Global Talent Visa: 高い実績・能力を持つ専門家向け
概算費用: 職種・期間により £610〜£1,400 程度
7.2 Startup / Innovator Visa
革新的なビジネスアイデアを持つ起業家向け
Innovator Visa: 最低投資額 £50,000
政府公認団体の承認と事業計画の提出が必要
8. 学生ビザ
8.1 Student Visa
6か月を超える就学に必要
認可教育機関からのCAS(入学許可確認)が必要
手数料: £490(6か月超のコース)
滞在中は週20時間までのパートタイム就労可
8.2 Short-term Study Visa
最長6か月の短期コース(英語コース含む)向け
英語コースに限り最長11か月まで可の場合あり
9. 家族・配偶者ビザ
9.1 Spouse / Partner Visa
英国市民・永住者の配偶者、事実婚パートナー、婚約者向け
滞在期間: 2年9か月(延長可)
収入要件: 年収最低 £18,600
9.2 Family Visa
英国にいる親・子・介護者・その他親族向け
条件はケースによって異なります
10. 永住権と市民権
10.1 永住権(Indefinite Leave to Remain, ILR)
原則、合法的居住5年で申請可能
要件: 一定の収入水準・英語力等
10.2 英国市民権
ILR取得後1年で申請可能
要件: Life in the UK テストおよび英語力証明
11. 英国ビザの申請方法
11.1 オンライン手続き
公式サイト gov.uk にアクセス
ビザの種類を選択しオンライン申請を完了
所定の手数料を支払い
生体認証の登録
必要書類のアップロード・提出
結果を待機(通常3〜6週間)
11.2 必要書類(ビザの種類により異なる)
パスポート・身分証明
資金証明(銀行残高証明、給与明細等)
入学許可書(学生ビザ)
雇用契約またはスポンサーからのレター(就労ビザ)
家族関係証明(家族ビザ)
11.3 期間と費用
審査期間: 一般的に3〜6週間
優先サービス: 追加料金(£500〜£800)で迅速化可能
12. 申請時のポイント
虚偽書類の提出は禁止: 拒否・将来の入国制限につながる可能性
記載ミスに注意: 小さな誤りでも拒否の原因になり得ます
手数料は原則返金不可: 十分に準備してから申請を
滞在超過は厳禁: 退去措置や再入国制限の可能性
まとめ
渡航目的に応じて多様なビザカテゴリーがあります。適切な種類を選ぶことが重要です。 正確な書類と入念な準備により、承認の可能性は高まります。 英国訪問を計画している場合は、早めに情報収集し、スムーズな手続きを目指しましょう。